Google広告のキャンペーンの『キャンペーンタイプ』の違いがよく分からなかったので調べてみた。備忘録として投稿します。
主要なキャンペーンタイプ
- 検索キャンペーン:
- 特徴: Google検索結果やGoogle検索ネットワークのサイトにテキスト広告を表示します。キーワードに基づいて、積極的に情報を探しているユーザーにリーチできます。
- 目的: 商品購入、見込み顧客の獲得、ウェブサイトへのアクセス増加など、具体的なアクションを促したい場合に適しています。
- 広告フォーマット: テキスト広告
- ディスプレイキャンペーン:
- 特徴: Googleディスプレイネットワーク(GDN)に参加する多数のウェブサイト、ブログ、アプリなどに画像、動画、テキストなどの広告を表示します。
- 目的: ブランド認知度の向上、幅広いユーザーへのリーチ、商品やサービスの検討段階のユーザーへのアプローチに適しています。
- 広告フォーマット: 画像広告、レスポンシブディスプレイ広告、動画広告など
- ショッピングキャンペーン:
- 特徴: GoogleショッピングタブやGoogle検索結果に、商品の画像、価格、店舗名などを表示します。ECサイトの商品を直接アピールできます。
- 目的: オンライン販売の促進、見込み顧客の獲得に適しています。
- 広告フォーマット: 商品ショッピング広告
- 動画キャンペーン:
- 特徴: YouTubeやGoogle動画パートナーのウェブサイトやアプリに動画広告を表示します。
- 目的: ブランド認知度の向上、商品やサービスの紹介、見込み顧客の獲得など、目的に応じて様々なフォーマットが利用できます。
- 広告フォーマット: インストリーム広告、インフィード動画広告、バンパー広告など
- 特記事項: 動画キャンペーンは2025年3月に終了して、デマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードされる。
- アプリキャンペーン:
- 特徴: Google検索、Google Play、YouTube、Googleディスプレイネットワークなど、複数のプラットフォームにアプリの広告を自動的に最適化して表示します。
- 目的: アプリのインストール数増加やエンゲージメント向上に適しています。
- 広告フォーマット: テキスト広告、画像広告、動画広告(アプリストアの情報に基づいて自動生成されることが多い)
- P-MAXキャンペーン:
- 特徴: Google広告のすべての広告枠(検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Discoverなど)にわたって、設定した目標に基づいて自動的に広告を配信します。
- 目的: 販売促進、見込み顧客の獲得、ウェブサイトのトラフィック増加、来店数と店舗売上の向上など、多様な目標に対応できます。
- 広告フォーマット: テキスト、画像、動画など、様々なアセットを組み合わせて自動的に最適化
- デマンドジェネレーションキャンペーン:
- 特徴: Discover、Gmail、YouTubeのインフィード広告など、視覚的に訴求力の高いフォーマットで、まだ商品やサービスを積極的に探していないユーザーにリーチします。
- 目的: ブランド認知度の向上、商品やサービスの検討を促すことに適しています。
- 広告フォーマット: 画像広告、動画広告、カルーセル広告など
- ローカルキャンペーン:
- 特徴: Google検索、Googleマップ、YouTube、Googleディスプレイネットワークなどに、実店舗への来店を促す広告を表示します。
- 目的: 実店舗への来店数や店舗売上の向上に適しています。
- 広告フォーマット: 店舗情報、地図、電話番号、道順などが表示される広告
- スマートアシストキャンペーン:
- 特徴: 中小ビジネス向けに設計された、シンプルで管理が容易なキャンペーンタイプです。Google広告が広告の作成やターゲティングなどを自動化します。
- 目的: 手軽にオンライン広告を開始し、ウェブサイトへのアクセスや電話問い合わせなどを増やしたい場合に適しています。
- 広告フォーマット: スマート広告(テキスト、画像など自動生成)
キャンペーンタイプの選択のポイント
どのキャンペーンタイプを選択するかは、広告の目的、ターゲットとする顧客、予算、そしてどのような広告フォーマットで訴求したいかによって異なります。
例えば、
- 特定のキーワードで検索するユーザーにすぐにリーチしたい場合は検索キャンペーン
- 多くの人に視覚的にアプローチしてブランドを知ってもらいたい場合はディスプレイキャンペーンや動画キャンペーン
- ECサイトの商品を効果的に宣伝したい場合はショッピングキャンペーン
- アプリのダウンロード数を増やしたい場合はアプリキャンペーン
- 実店舗への来店を増やしたい場合はローカルキャンペーン
といったように、目的に合わせて最適なキャンペーンタイプを選ぶことが重要です。
配信場所→ キャンペーンタイプ↓ | YouTube | 検索パートナー | ディスプレイネットワーク | Discover | Gmail | マップ |
検索キャンペーン | 〇 | 〇 | × | × | × | × |
ディスプレイキャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
ショッピングキャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
動画キャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
アプリキャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
P-MAXキャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
デマンドジェネレーションキャンペーン | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | × |
ローカルキャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
スマートアシストキャンペーン | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
補足事項
- 検索パートナー: Google検索結果以外の、Googleと提携している検索エンジンのサイトです。
- ディスプレイネットワーク: Googleが提携する多数のウェブサイト、ブログ、アプリなどのネットワークです。
- 上記は一般的な傾向であり、キャンペーンの設定やターゲティングによって表示の有無は変動する可能性があります。
- P-MAXキャンペーンは、設定した目標に応じて自動的に最適な広告枠に配信されるため、多くの場所に「〇」がついています。
- アプリキャンペーンとローカルキャンペーンは、マップでの表示が重要な要素となります。
- デマンドジェネレーションキャンペーンは、視覚的な訴求が強いため、DiscoverやGmail、YouTubeのインフィード広告などが中心となります。
P-MAXキャンペーンについて
P-MAXキャンペーンは多くの広告枠に対応しており、一見すると非常に魅力的に見えますよね。しかし、他のキャンペーンタイプと同様に、P-MAXキャンペーンにもいくつかのデメリットや注意点があります。
P-MAXキャンペーンの主なデメリット
- コントロールの制限: P-MAXキャンペーンは、入札戦略、ターゲティング、広告表示場所などをGoogleのAIが自動的に最適化します。そのため、広告主が手動で細かくコントロールできる部分が少なくなります。
- キーワードの除外: 検索キャンペーンのように、効果の低いキーワードを除外することができません。(アカウント単位での除外リストは適用可能ですが、キャンペーン単位での調整はできません。)
- 広告表示場所の制御: どのウェブサイトやアプリに広告が表示されているかを詳細に把握したり、特定のプレースメントを除外したりすることが難しいです。
- デバイス別入札調整: デバイス(PC、モバイル、タブレット)ごとの入札単価を細かく調整することができません。
- 透明性の低さ: 広告が実際にどこに表示され、どのようなユーザーにリーチしているかの詳細なデータが、他のキャンペーンタイプに比べて把握しにくい場合があります。レポートで確認できる情報が限られていることがあります。
- 特定の戦略に不向きな場合: 特定の広告表示場所に強くこだわりたい場合や、詳細なオーディエンスセグメントに対してピンポイントにアプローチしたい場合には、P-MAXキャンペーンの自動最適化が必ずしも最適とは限りません。例えば、YouTube広告に特化したクリエイティブ戦略がある場合などです。
- 十分なデータがないと最適化に時間がかかる: P-MAXキャンペーンは機械学習に基づいて最適化を行うため、十分なコンバージョンデータが蓄積されるまで、期待する成果が出るまでに時間がかかることがあります。
- 意図しない顧客へのリーチの可能性: 幅広い広告枠に配信されるため、意図しない層に広告が表示される可能性もゼロではありません。
- クリエイティブの準備が必要: テキスト、画像、動画など、様々な広告フォーマットのアセットを準備する必要があります。これらが不足していると、P-MAXキャンペーンのパフォーマンスを最大限に引き出せない可能性があります。
- 詳細な分析が難しい: どの広告アセットやオーディエンスシグナルが成果に貢献しているかの詳細な分析が、他のキャンペーンタイプに比べて難しい場合があります。
P-MAXキャンペーンが特に有効なケース
一方で、P-MAXキャンペーンは以下のような場合に特に有効です。
- コンバージョン数を最大化したい: 目標コンバージョン単価や目標広告費用対効果を設定することで、自動的に成果を最大化しようとします。
- リーチを最大限に広げたい: Googleの幅広い広告ネットワーク全体にリーチできるため、潜在的な顧客層へのアプローチに適しています。
- リソースが限られている: 手動での細かな運用が難しい場合に、GoogleのAIに最適化を任せることができます。
- 新しい顧客を獲得したい: これまでリーチできていなかった顧客層に自動的にアプローチできる可能性があります。
P-MAXキャンペーンは強力なツールですが、万能ではありません。コントロールの柔軟性や透明性の低さといったデメリットも理解した上で、広告の目的や戦略に合わせて他のキャンペーンタイプと適切に使い分けることが重要です。