こんにちは。マーケターのChokyoです。
このブログでは、Webマーケティングに関する気づきや学びを、できるだけわかりやすくお伝えしています。

今回のテーマは「市場の成熟度」。
これは、広告やキャッチコピーを考えるときに非常に役立つ考え方で、特に「なぜこの言葉が響かないのか?」という疑問に対して、明確な答えを与えてくれる概念です。

市場の成熟度とは?

市場の成熟度とは、その市場の見込み客(ターゲット)が、商品や広告にどれだけ慣れているかを示す指標です。

例えば、新しい製品を市場に出したときと、すでに競合が多数存在する市場で製品を出すときとでは、適切なキャッチコピーの切り口は大きく異なります。

市場の成熟度は主に5つの段階に分かれており、それぞれに適した訴求方法があります。ここでは、スマホ市場を例にしながら、それぞれの段階を丁寧に解説していきます。


【第1段階】市場未開拓|“新しさ”だけで注目される時代

この段階では、商品やジャンルそのものがまだ世の中に知られていません。競合は存在せず、消費者の頭の中にその商品カテゴリが「ない」状態です。

つまり、新しさそのものが価値であり、機能や利便性をストレートに伝えるだけで反応が得られます。

スマホ市場の例:

初代iPhone(2007年)登場時
Appleが「Say hello to iPhone」と打ち出し、画面を指でタッチするだけで誰もが操作できることに、人々は驚きました。


【第2段階】初期成長期|“似た商品”が出始めるが、差別化はまだ緩やか

市場に注目が集まり、他社が参入を始める段階です。とはいえ、まだ競争は激しくなく、差別化もそれほどシビアではありません。

この段階では、先行商品の成功パターンを“なぞる”形でもある程度反応が取れます。キャッチコピーは、「うちも同じように便利です」的な表現でも通用します。

スマホ市場の例:

Android端末の登場(2008年〜)
「自由にカスタマイズできる」「SDカード対応」といった、iPhoneと少し違う特徴を打ち出す程度でも勝負できた時代です。


【第3段階】成長期後半〜成熟期|“機能差”での競争が激化する

この段階になると、市場に多くの競合がひしめき、消費者も商品に慣れてくるため、差別化が必須になります。

各社は「より速く」「より軽く」「より高性能に」といった、具体的なスペックや機能での勝負に出ます。
キャッチコピーも“上を行く表現”が求められ、訴求内容がどんどん過激になります。

ただし、この段階から、消費者の「慣れ」も始まるため、ただ機能を並べるだけでは心に届きにくくなってきます。

スマホ市場の例:

2010年頃〜スマホが爆発的に普及し始めた時期
「世界最薄」「高画素カメラ」「防水・防塵」など、機能競争がエスカレートしました。


【第4段階】飽和期|“背景・ストーリー”で信頼を得る段階

市場が成熟し、製品や機能の差では差別化が難しくなってくると、ユーザーはキャッチコピーに飽きてきます。

この段階で有効なのは、「なぜこの商品が生まれたのか?」「どんな思いで作られているのか?」といった**“背景”や“哲学”を語ること**です。

単なるスペックよりも、作り手の想い、開発のこだわりなどに共感が集まるようになります。

スマホ市場の例:

2015年以降のスマホ
「あなたの暮らしに寄り添う一台」「開発者のこだわりが詰まった設計」など、背景や世界観で差別化を図るようになりました。


【第5段階】完全成熟|“アイデンティティ”に訴える時代

市場が完全に成熟し、商品は「あるのが当たり前」になります。
この段階になると、機能や性能での違いはもはや意味を持たず、消費者は“自分らしさ”との一致で選ぶようになります。

つまり、「この商品を持つことで、どんな自分になれるか?」というアイデンティティ訴求が求められます。

スマホ市場の例:

現在(2020年代)
Appleの広告は、機能ではなく“世界観”や“美意識”でファンを惹きつけています。ユーザーは「機能」ではなく、「Appleを使っている自分のスタイル」に価値を感じています。


キャッチコピーが効かない理由は「市場の慣れ」かもしれない

以上のように、同じ商品カテゴリーであっても、市場の成熟度によって最適なキャッチコピーやマーケティングの方向性はまったく異なります。

市場がまだ未開拓なら、ストレートな説明で十分反応が取れます。
逆に、すでに成熟しきった市場では、機能よりも「自分らしさ」「価値観」に訴える必要があります。

だからこそ、「この市場は今どの段階にいるのか?」を見極めることが、マーケターにとって重要なのです。


最後に:認知度の視点も忘れずに

今回は「市場の成熟度」という切り口から広告戦略を解説しましたが、もうひとつ見逃せない視点があります。それが**「商品認知度」**です。

市場が成熟していたとしても、あなたの商品自体の認知が低ければ、伝え方はまた変わってきます。
この「商品認知度」については、次回の記事で詳しく解説していきます。


「なぜ、このキャッチコピーは響かないのか?」
そう思ったときは、ぜひ一度、自分の市場の成熟度を振り返ってみてください。
きっと、突破口が見えてくるはずです。

それではまた。

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