
マーケティングの話をするとき、
よく例えとして使われる寓話があります。
それが「北風と太陽」です。
旅人の上着を脱がせようと、
北風は力いっぱい風を吹きつけます。
しかし、
旅人は吹き飛ばされまいと
上着を押さえ込み、
むしろ脱ぐどころではありません。
一方で太陽はただ照らすだけ。
すると旅人は暑さに耐えきれず、
自ら上着を脱ぎました。
この寓話は、
実際のマーケティングにも
そのまま当てはまります。
売り込めば売り込むほど、なぜ嫌われるのか?
売り手であるあなたが
必死にメッセージを
ぶつければぶつけるほど、
お客さんは身構え、
心を閉ざしてしまう。
でもお客さん自身が
「欲しい」
「必要だ」
と感じた瞬間、
こちらが強く押さなくても
自然と買ってくれるものです。
では、
北風と太陽の違いは
どこにあったのか?
それは
「相手の状態を理解していたかどうか」
です。
北風と太陽の決定的な違い
北風は
旅人の気持ちや状況を
見ていません。
ただ自分の力をぶつけただけ。
しかし太陽は、
旅人がどんな状態にあると
上着を脱ぐのかを
わかっていたんです。
実は、
売れない原因のほとんどは
ここにあります。
売り手が陥りがちな「商品目線」
売る側は自分の商品に
意識が向いてしまいがちです。
この商品はすごい!
きっと誰だって欲しいはず!
そう思うあまり、
商品の魅力を
一生懸命伝えようとします。
しかし、
あなたがどれだけ力説しても、
相手は冷めていることが多い。
なぜでしょうか?
理由はシンプル。
お客さんは「あなたの商品」に
興味があるのではなく、
「自分の利益」にしか
興味がないからです。
お客さんが本当に知りたいこと
お客さんは、
自分がどう変わるのか、
自分の問題がどう解決されるのか、
それだけに関心があります。
だから、
あなたが商品の良さばかり語っても、
お客さんが自分の抱えている欲求が
その商品で満たされると思えない限り、
あなたの話を
まともに聞いてはもらえません。
実は
そのような状況に陥っている
営業や経営者が多いです!
でも、ある意味、
しょうがないかもしれないですね。
いい商品なんだから、
その良さを分かってもらいたい!
その一心でお客さんに
商品の良さについて話したくなるし、
実際、
良さを分かってもらえないと
購入してもらえないのも
事実ですからね。
「北風アプローチ」が生む逆効果
でも、
北風みたいなアプローチでは、
お客さんはますます
コートをきつく身にまとってしまいます。
では、
売り込まずに
商品を買ってもらうためには
どうしたらいいのか?
太陽がやったように、
自然とコート脱がす、
つまり、
自然とお客さんから
「売ってください」
と言われるようにするためには
何をすればいいか?
答えはひとつ。「徹底した顧客理解」
答えはひとつ。
徹底した顧客理解 です。
お客さんは何を欲しているのか?
どんな問題で悩んでいるのか?
どんな未来に行きたいのか?
どんな自分になりたいのか?
など、
お客さんの欲求を知ることです。
お客さんが
何を欲しているのか分かれば、
あなたがやることは、
あなたの商品のことを話すのではなく、
お客さんの欲求を満たす方法を伝えることです。
お客さんは「商品」ではなく「欲求の充足」を買っている
お客さんは
あなたの商品が欲しいのではなく、
自分の欲求を満たしたい
と思っています。
それが満たされる方法を知って、
あなたの商品で
それが満たされると分かれば、
お客さんの方から
「売って下さい」
と頼まれるのです。
売込みする必要はないんです。
まとめ:太陽になるために必要なのは「顧客理解」
最後にまとめると──
売り込みが嫌われるのは、
「売り手の都合」で話すから。
売り込まずに売れるのは、
「顧客の欲求」を理解しているから。
なので、
あなたがまず取り組むべきは、
顧客理解を深めること。
顧客理解が深まれば、
あなたの商品は
自然と必要な人に届き、
必要な人が自ら行動してくれる
ようになります。
“太陽”になるために必要なのは、
テクニックでもゴリ押しでもなく、
徹底した 顧客理解 です。


