先日、経営者の知り合いでもあり、クライアントでもある方に、自分が考えている新しい取り組みについて話を聞いてもらう機会がありました。
内容としては、企業研修講師のマーケティングについて。
私は昔から、知っていることを伝えたり、仕組みや考え方を教えたりすることが好きで、いつか本格的に企業研修をやりたいと考えていました。
そこで考えたのが、ジェイ・エイブラハムのリファラルマーケティングの考えを活用した紹介制度。
紹介制度そのものは珍しいものではありませんが、仕組み化することで継続的に成果が出る仕組みを作れないかと考えていました。
これはなかなか良いアイデアではないかと思い、実際に企業研修を長くやってきた方に意見を聞いてみたいと思ったのです。
企業研修という同じ言葉でも、見ている世界は違っていた
話を進めていく中で、相手の方はとても丁寧に聞いてくれていたのですが、途中である違和感に気づきました。
それは、同じ「企業」を相手にしているはずなのに、見ているターゲットの企業像が微妙に、でも確実に違っていたということです。この「ちょっとした違い」が、実はものすごく大きな違いでした。
話しながら、自分の中で「あ、そこ見てなかったな」と気づかされ、正直、少し恥ずかしくもなりました。というのも、私は普段、マーケティングを教える立場として「ターゲットを深く理解することが何より大切だ」と繰り返し伝えているからです!
その張本人が、自分自身のターゲットを完全には理解しきれていなかった、という事実に直面したわけです。
自分なりに考えていた「ターゲット」の正体
今回の計画では、中小企業の社長さんを想定していました。従業員数でいうと10名から20名程度、社長自身が現場も管理も営業も担っていて、マーケティングに手が回っていないような規模感です。
実際に今まで関わってきたクライアントの顔を思い浮かべながら、その人たちに役立つ仕組みとして考えていました。一方で、話を聞いてくれた彼女は、すでに企業研修を事業として確立しており、ターゲットとしている企業の規模がもう一段大きいところでした。
同じ法人向け、同じ企業研修という括りでも、企業の規模が変わると、課題も意思決定のプロセスも、求められる内容も変わってきます。
「サービス先行型」の落とし穴
私が考えていた仕組みは、彼女のターゲット企業に対して「絶対に通用しない」わけではありません。ただ、私が頭の中で描いていた成果の出方やスピード感とは、少しズレがあるかもしれない、という指摘でした。この指摘は、とても納得感がありましたし、自分の視野の狭さを突きつけられた気がしました。
振り返ってみると、これは決して珍しい話ではありません。
多くの人が、まずサービスや商品を作り、その後で「どうやって売ろうか」と考えます。その結果、顧客のことは考えているつもりでも、実はかなりざっくりとしか見ていない、というケースが多いのです。
私自身も、今回まさにそれをやっていました。
ターゲットが変われば、マーケティングも営業も変わる
もちろん、まったく顧客を考えていなかったわけではありません。自分なりに対象となる社長像を思い浮かべてはいました。
ただ、それが「誰にとっての企業研修なのか」「どの規模の企業にとって最適なのか」というところまで、言語化しきれていなかったのだと思います。
今回のやり取りを通じて、改めて強く感じたのは、ターゲットを知ることの重要性です。どれだけ良いサービスを作っても、どれだけ精巧な営業の仕組みを作っても、ターゲットがズレていれば、成果は出ません。
逆に言えば、ターゲットが明確であれば、アプローチの方法も、伝える内容も、おのずと決まってきます。
BtoBビジネスで見落としがちな「規模」の視点
特にBtoB、企業向けのビジネスでは、企業規模によって考えるべきポイントが大きく変わります。
一般消費者向けのビジネスとは、同じマーケティングでも前提条件が違います。その違いを理解しないまま進めてしまうと、「なぜかうまくいかない」という状態に陥りやすくなります。
ターゲット理解こそが、成果の出る仕組みをつくる
今回の気づきは、自分にとっては少しショックでもありましたが、同時にとても大きな学びでした。
やはり、何か新しいことを始めるときほど、立ち止まって「自分のターゲットは本当に誰なのか」を見直す必要があります。
この基本を疎かにしないことが、結果的に遠回りしない一番の近道なのだと、改めて実感しました。

