ちゃんと書いているのに、なぜか伝わらない

あなたは、自分のホームページやブログ、ちゃんと「伝わっている」と思いますか?

たぶん多くの人が「一応、必要なことは書いてある」と思っているんじゃないでしょうか。実績も書いてあるし、サービス内容も載せているし、活動もちゃんとやっている。でも、それを初めて見る人にとって本当に分かりやすいかどうかは、また別の話なんですよね。

今回は、あるクライアントさんへの返信として書いた内容をもとに、「なぜ、ちゃんと書いているのに伝わらないのか」について少し整理してみたいと思います。これは特定の業種の話ではなく、ほぼすべてのビジネスに当てはまる話です。

マーケティングの大前提は「見る側の視点」

マーケティングの大前提って何だと思いますか?いろいろありますが、一番大事なのは発信は常に「見る側の視点」で考えることです。マーケティングの世界ではよく「サルでも分かるように伝えろ」と言われます。もちろん本当にサルに説明するわけではありませんが、それくらい分かりやすくしないと伝わらない、という意味です。

なぜそこまで言われるのか。理由はシンプルで、ページを見ている人はあなたのことをほとんど知らないからです。どんな人なのか、どれくらいやっているのか、どんな想いがあるのか。そういった前提知識はゼロです。しかも人は基本的に自分のことしか考えていません。これは悪い意味ではなく、人間の性質です。だから、書いてある情報を自分勝手に解釈します。

クライアントから依頼された文

先日、あるクライアントからホームページの新着情報に次の情報を載せてほしいとの依頼が来ました。

「直近の○○品評会で弊社の△△が金賞を受賞」

これを読んで、なんか違和感を感じた私。「直近」っていつのこと?

そのページの新着情報には発信された日付を書いておくところが無いので、「直近」がいつのことなのかを明記したほうがいいとクライアントに提案したのですが、「そう書いてあるのには意味があるからそのまま載せてくれ」ということでした。『意味』があるのであれば一応従っておこうと思いそのまま掲載してページを更新しましたが、私的にはどうしても腑に落ちなかったので、私が提案した理由を書いて返信しました。

「分かるだろう」では伝わらない

ここで使われた「直近」の表現。発信している側からすると新着情報に掲載する内容なので「最近の話といことは当然読む側もわかっている」というつもりで使っていると思います。

でも、これを初めて見る人は「いつの話?」「去年?一昨年?」「はっきり書かないのは、何か理由があるのかな?」と感じる可能性があります。

ポイントは、相手は好意的に読んでくれるとは限らないということです。「よく分からない」「なんかモヤっとする」と感じた時点で、そのページは静かに閉じられます。

そのまま伝える

じゃあどうすればいいのか。答えはとてもシンプルで、「いつ」を書くことです。「直近の実績」ではなく、「11月の最終選考会で弊社○○が優秀賞獲得」のように具体的に書く。それだけで、最近の話だと分かり、現実味が出て、隠していない印象を与えられます。※もちろん半年後、1年後までこの「11月」ではいけませんが…

マーケティングは、こうした小さな親切の積み重ねです。特別な言い回しを考える必要はありません。事実を、分かる形で出すだけでいいんです。

載せなければ、やっていても、やっていない

もう一つ、ありました。

クライアントは定期的に講座を開催しており、この依頼を受けたときはその講座の真っ最中でした。

それを知った私は、

「○○講座開催中!」

という1行も新着情報をして掲載してはどうかと提案しましたが、返答は「もう満席だから掲載しなくていい」という回答でした。

すぐ受け付けられないなら「載せても意味がない」と思いがちですが、ホームページは今すぐ申し込む人だけが見る場所ではありません。

ホームページまだ検討中の人、タイミングを待っている人、どんな活動をしているのか知りたい人も見ています。クライアントはこの講座を定期的に行っているのに、ページに何も書いていなければ、見る側は「やっていないんだな」と理解します。実際にはやっているのに、これはかなりもったいない話です。

もし、やっているけど満席なら、そのまま書けばいいんです。「現在開催中(満席につき受付終了)」と書くだけで、「人気なんだな」「ちゃんと選ばれているんだな」「次は早めにチェックしよう」という印象を持ってもらえます。

今すぐ売れなくても、次につながる種はちゃんと蒔けます。マーケティングは、今この瞬間の売上だけを見るものではありません。

書いていないことは、存在しないのと同じ

マーケティングの世界では「書いていないことは、存在しないのと同じ」とよく言われます。実際にはやっている、実績もある、評価もされている。それでも伝えていなければ、見ている人には存在していないのと同じです。

特に長くビジネスをやっている人ほど「当たり前」「今さら言わなくても」と思いがちですが、その当たり前は初めて見る人には当たり前ではありません。

親切すぎるくらいでちょうどいい

マーケティングは「親切すぎるかな?」と思うくらいで、やっとちょうどいい。削ることでも盛ることでもなく、誤解されない形に整えることが大事です。

自分の発信を見直すときは、一度「何も知らない人」になったつもりで読み返してみてください。そのときに感じる「これ、分かりにくいな」「いつの話か分からないな」という違和感こそが、マーケティング改善の一番のヒントです。

結局、クライアントは私の提案の真意を理解して、採用してくれました!

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