商品やサービスを販売するとき、皆さんはどんなことをアピールしていますか?

「この商品はこんなに素晴らしいんです!」「他社より優れています!」。

普通はいいところを宣伝しますよね。

でもね、実は商品の欠点をあえて見せることで、お客さんからの信頼や好感度が上がる、と言われているんです。

「えっ?欠点を見せたら売れなくなるんじゃないの?」

そう思いますよね?

私もそう思ってました。

でも、マーケティングには弱点を武器にした広告の成功事例があります。

ギネスビールは「欠点」を宣伝した

マーケティング系の書籍『Hacking Human Mind』(リチャード・ショットン&マイケルアーロン・フリッカー著、ダイレクト出版発行)の中で面白いなと思ったのが、ギネスビールの広告事例です。

あの黒いビールですね。

ギネスには一般的なラガービールと比べて、ある弱点がありました。

それは注ぐのに時間がかかること。

独特の泡を楽しむための注ぎ方には約119.5秒、つまり約2分かかります。

友達とパブに行って、友達はラガー、自分はギネスを注文したとします。

友達のビールは先に出てくるのに、自分のギネスはまだ来ない。

「おいおい、まだなの?」となりますよね😅

ギネスの広告では、かつてこの弱点に触れない方針があったと紹介されています。

しかし、その考え方をひっくり返した広告が生まれました。

「待つ人にはいいことがある」

そのキャッチコピーは「Good things come to those who wait.」。

日本語にすると「待つ人にはいいことがある」です。

これ、すごくないですか? 普通なら隠したい「待たされる」という欠点を、広告の中心に持ってきたんです。

なぜ時間がかかるのか。

それは独特のきめ細かな泡や味わいを楽しんでもらうため。

つまり「待たされる」の裏には「時間をかけるだけの価値がある」が隠れていたわけです。

「待たせて申し訳ありません」ではなく「待つだけの価値がありますよ!」。

このコピーはギネスを代表する広告キャンペーンになりました。

なお、ギネスには過去に健康によいというイメージを訴求した広告もありましたが、それは現代の医学的な健康効果を意味するものではありません。

人は完璧な人より、少し欠点のある人を好きになる?

こうした考え方に関連する心理現象がプラットフォール効果(Pratfall Effect)というそうです。

優秀な人がちょっとした失敗をすると、かえって好感度が高まることがある、というものです。

コーヒーをこぼした人の方が好かれた

有名な実験では、クイズに非常によく正解する人物の音声を参加者に聞かせました。

一方はクイズに答えるだけの音声。

もう一方は、クイズの後にコーヒーをこぼしてしまう音声。

さて、どちらの方が好感度が高かったと思いますか?

実は、コーヒーをこぼした人物の方が好感度が高かったんです。

「あ、この人も普通の人間なんだな」と親しみを感じるのでしょうかね?

何でも完璧な人より、ちょっと抜けたところのある人の方が親しみやすい。

なんとなくわかりますよね。

欠点を見せれば何でもいいわけじゃない!

この実験では、クイズにあまり正解できない人物についても調べています。

その結果がおもしろい!

クイズの正解率が低い人がコーヒーをこぼしても、好感度は上がらなかったそうです。

そりゃ、そうかかも。

仕事がバリバリできる人のちょっとした失敗なら親しみを感じても、失敗ばかりしている人がさらに失敗すると「またかよ……」となるかもしれませんよね😅

欠点を見せる前提として、まず優れていることが伝わっていなければならない

ということです。

商品やサービスでも、まず価値をしっかり伝えたうえで弱点を見せることが重要なんですね。

欠点はコインの表と裏のようなもの

精神世界の話の中では、

善悪は無い

とよく言われます。

それと同じような考え方で、

欠点と長所はコインの表と裏のようなもの

と本の中で説明されていました。

200%納得!

ギネスの「注ぐのに時間がかかる」は欠点。

でも「おいしく飲むために時間をかけている」と考えれば長所になりますよね!

以下、いくつか例を挙げてみます。

例1:納期が長いオーダーメイド商品

「お届けまで1か月かかります」だけなら欠点。でも職人が一つひとつ手作業で仕上げているなら、「あなただけの一品を、職人が時間をかけて仕上げます」と言えます。

例2:機能が少ないソフトウェア

「多機能ではありません。だから、初めての人でも迷わず使えます」。必要な機能に絞っていることが使いやすさにつながるなら、立派な魅力ですよね。

例3:料金が高いサービス

「格安ではありません。一社一社に、しっかり時間をかけるためです」。本当にその価値を提供しているなら、料金の高さに理由を持たせることができます。

絶対に使ってはいけない欠点もある

ただし、何でも出せばいいわけではありません。

格安航空会社なら、

「機内サービスは必要最低限です。その分、運賃を抑えています」

は魅力になるかもしれません。

でも、

「安全管理に問題があります」

では乗りたくないですよね。

安全性など根本的な問題は広告で言い換えるのではなく、改善するべきものです!

また、くすりの例はもっと分かりやすいかも。

「良薬は口に苦し」という言葉もありますが、不味い薬ほど効きそう、というイメージがありますよね。

でも、同じ「まずい」でもビールに使ったら、飲みたくなくなりますよね(笑)。

その欠点を伝えることで、商品の価値が高まるのか、それとも下がるのか?

ここを考える必要があります。

欠点を自分から認めると、信頼されやすくなる

本書では、自分に不利な情報を先に伝えることで、信頼性が高まる場合があるという研究も紹介されていました。

例えば裁判で、不利な情報を相手側に指摘されるのと、弁護側が先に認めるのとでは、受け止められ方が変わることがあります。

商品でも「欠点なんてありません!」と言われると、ちょっと怪しく感じませんか?

でも、

「実はこんな弱点があります。ただ、その代わりにこんなメリットがあります」

と説明されれば、誠実さを感じることがあります。

実際の広告で使う欠点はどうやって探す?

じゃあ、欠点を使ったうまいコピーを作るにはどうしたらいいか?

その手順を考えてみました。

例えば、あなたが無農薬のリンゴを売っていたとします。

STEP1:商品の欠点を全部書き出す

価格が高く、数ま少ない

普段は隠したくなることも、まず書き出してみます。

STEP2:その欠点が生まれる理由を考える

価格が高いのは、無農薬なので手間暇が普通のリンゴの倍以上かかる。

なんで無農薬でつくるの?

食べてもらえる人の健康を守りたいから。

なんで健康を守りたい?

自分の家族が農薬の被害にあったから、他の人には同じ思いをしてほしくないから。

理由を掘り下げます。

STEP3:欠点の裏にあるメリットを探す

「対応できる人数が少ない」なら「少人数だからこそ、一人ひとりにしっかり向き合える」かもしれません。

お客さんにとっての価値を見つけます。

STEP4:欠点とメリットをセットで伝える

「当社のサービスは決して安くありません。なぜなら、お客さん一人ひとりに十分な時間をかけているからです」。

ただ「丁寧に対応します」と言うより説得力がありませんか? 実際の反応は広告テストで確かめましょう。

私自身の仕事にも使えそうだと思った

例えば、私のWebマーケティングコンサルティング。

お客さんの代わりにすべて作業するだけではなく、お客さん自身にもマーケティングの仕組みを理解してもらうことを大切にしています。

だから、お客さんにも考えたり学んだりしてもらう必要があります。

「全部丸投げしたい!」という人には面倒かもしれません。

これ、欠点です。

でも、自分でマーケティングを理解できれば、制作会社や広告会社に任せっきりにならず、自分で判断できるようになります。

これがメリット。

つはり、

「丸投げしたい人には向いていません。でも、自分で売上を伸ばす仕組みを理解したい経営者には、きっと役立つはず」

ということです。

このフレーズだと、自分のターゲットではないお客さんをWebの段階でフィルタリングして、自分のサービスに合うお客さんだけを集客できます。

まとめ:欠点は隠すものではなく、活かすもの

今回、重要だと思ったのは3つ。

  1. まず商品やサービスの価値を伝えること。
  2. 欠点の裏にあるメリットを探すこと。
  3. そして、欠点を正直に伝えて誠実さを示すこと。

ギネスの事例は本当に参考になりますよね。

「待たされる」という欠点を「待つ人にはいいことがある」に変えてしまった。

広告では商品のいいところを見つけるのが基本。

でも、商品の悪いところから、いいところを見つけるという発想もあるんですよね。

みなさんの商品やサービスの欠点はなんですか?

その裏側に、お客さんにとっての大きな価値が隠れているかもしれませんよ。

ぜひ広告やLPづくりにも取り入れてみてくださいね!

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